地区研究会案内・報告

  関東地区研究会
  2011年度 関東地区研究会の案内
  日 時:
  2011年10月1日(土) 13:00〜17:30
  場 所:
  キャンパス・イノベーションセンター(東京・田町駅)リエゾンオフィス 609号室
  報 告:
  1. 農村社会を組みかえる
 ―ジェンダー関係の視点から―村研大会セッションの枠組みと目的
                         原珠里(東京農業大学)
2. 農村女性問題と農村女性起業の新たな展開(仮)  澤野久美(明治大学)
3. 農家女性のライフコース選択とキャリア形成
 −スイス、オーストリア、日本の3カ国比較−  大友由紀子(十文字学園女子大学)
  概 要:
   今年度の日本村落研究学会第59回大会のテーマセッションは、「農村社会を組みかえる―ジェンダー関係の視点から」です。関東地区研究会では、このテーマセッションの趣旨を踏まえながら、農村ジェンダー研究の最前線に迫りたいと思います。第1報告で、これまでのジェンダー研究の中に、今回のテーマセッションを位置づけて頂きます。その上で、第2報告では近年活発化している女性起業の現況について、第3報告では、国際比較の観点から日本の農村女性が置かれる社会的状況について報告を受けます。
  会場への交通:
   JR山手線 田町駅下車すぐ      http://www.cictokyo.jp/access.html
 所在地:〒108-0023 東京都港区芝浦3-3-6
 電話番号(受付):03-5440-9020
  問い合せ先:
  関東地区研究委員 福田恵(東京農工大学農学部)
  f9h-k4h-yhsd@hotmail.co.jp / 042-367-5635 /090-1136-1939

  北海道地区研究会
  2011年度 北海道地区研究会の案内
  日 時:
  2011年10月8日 14:00〜17:00
  場 所:
  北海道大学農学部(教室は当日掲示予定)
  報 告:
   1.家族経営内における女性の役割の変化に関する研究
   −北海道訓子府町を事例として−   高橋祥世(北海道大学農学院)
 2.女性起業による直売所の継続と課題  澁谷美紀(北海道農業研究センター)
  問い合わせ先:
  北海道地区研究委員 小内純子(札幌学院大学)
〒069-8555江別市文京台11番地 札幌学院大学社会情報学部
TEL011-386-8111(内線5106) メール onai@sgu.ac.jp

  東海・関西・中四国地区研究会
  2011年度 東海・関西・中四国地区研究会活動の報告
  日 時:
  2011年9月4日(日)14:00−17:30
  場 所:
  キャンパスプラザ京都 6階・第8講習室(京都大学サテライト)
  出席者:
  秋津元輝、東良太、今里悟之、岩島史、大内雅利、大淵裕美、柏尾珠紀、川田美紀、河村能夫、木村都、中條暁仁、中道仁美、原珠里、藤井和佐、牧野修也、牧野友紀、宮本結佳、湯崎真梨子、揚平((五十音順、計19名)
  報 告:
   1.農村女性問題再考―女性学の視点から農村女性問題を再考する−中道仁美(愛媛大学)
 2.静岡県中山間地域における集落の動向と地域住民の対応    中條暁仁(静岡大学)
  概 要:
   第一報告では、農山漁村の女性問題に関する研究が増加した一方、農山漁村の女性政策が停滞している現状を背景に、時代や社会の変化に伴って変化する「社会・文化的な性」である「ジェンダー」ではなく、原点のフェミニズム諸理論に立ちかえって農村女性問題を再考することを試み、次の点を主張した。第一点は、現在も農村・農家女性に対する男性による支配構造、家父長制は依然として生きており、女性の解放にはこの家父長的構造の解消が必要であること。別居や女性の政治参画などがその解消に有効である。第二点は現在農村女性が無償で担っている家事、育児、介護、農業労働は農産物の低価格化、社会費用の低減という男性中心の資本主義社会の要請に応えるものであり、このような現在の社会システムを形成するのに、イエや母性というイデオロギーが必要とされたこと。その解消にはイデオロギーの払しょくが重要であるが、内面的な性向にかかわることは難しいため、私的領域における無償労働の有償化、社会化と女性の世襲財産への権利を彼女の労働に応じて認めるようにすることが必要である。
 以上から、農村女性の現状および農村女性研究の閉塞感を打ち破るためには、やはり女性の政治参画が必要であると主張された。質疑では、農村男性の生きにくさや農村女性が現在の構造から利益を受けている側面など、より相対的な視点から議論が行われた。
 第二報告では、地理学の視点から、静岡県の中山間地を含む広域合併地域における地域住民の活動事例が報告された。浜松市の旧佐久間町では浜松市への合併と同時に当時の町助役の働きかけによってNPO「がんばらまいか佐久間」が設立された。このNPOは過疎地有償運送事業(タクシー)や農家レストランの運営に携わり、単身高齢者への食生活支援も行っている。また、町内の小規模・高齢化の進む集落での小地域福祉活動では、Iターン者が重要な役割を担っていることを指摘した。さらに、高齢化の進む中山間地域での保健・福祉の担い手として、新たな地域住民組織が果たす役割の可能性を提起した。質疑では、高齢世帯の子どもが近隣に居住しているという事例集落の特性や、NPOと既存住民組織の関係などについて議論が行われた。(岩島 史)

  九州地区研究会
  2011年度 九州地区研究会の報告
  日 時:
  2011年8月11日(木)14:00〜17:00
  会 場:
  熊本県菊池市コッコファーム「たまご庵」大会議室
  出席者:
  秋津元輝、東良太、木村亜希子、柴本晴香、辻正二、徳野貞雄、牧野厚史、松岡義博、湯崎真梨子、横山孝一、米田誠司(五十音順、敬称略)
  報 告:
  1. 観光まちづくりと町村合併―湯布院を事例に  米田誠司(熊本大学大学院)
2.時間学の社会的意味  辻 正二(山口大学時間学研究所)
3.「農」と共同体の時間論  徳野貞雄(熊本大学)
  概 要:
   第一報告では大分県旧湯布院町を事例に、まちづくりの先進地とされた地域が市町村合併に至った経緯と、これにより地元住民の自治的活動が受けた影響について議論が展開された。旧湯布院町では、市町村合併に際して町内の二つの勢力、旧湯布院町役場と民間組織である湯布院温泉観光協会が全面的な対立関係に陥った。この二つが中谷健太郎の提唱する「対立的信頼関係」を築き、更に双方間の信頼関係を築ければ、「住民自治」において一つの新たな視点となりうる可能性が示された。
 第二報告では、まず時間学の概要と社会学上で議論されてきた時間学の紹介がなされた。続いて、明治期以降の急激な近代化に伴い、わが国で行われた旧暦から新暦への切替について疑問が投げかけられた。旧暦を基に慣行行事を行っている中国、韓国の事例を挙げ、今後わが国において文化的側面での旧暦採用の可能性を示唆した。更に、現代社会の、特に先進諸国において共通する急激な「時間」の加速化を批判し、人間的なスローな時間を取り戻すことが重要だと結論づけられた。
 第二報告の時間学的な議論を受け、第三報告では、近代における時間規制、空間規制の変遷の収斂と拡大を整理した表を提示し、「近代的時間」規制下では、共同体の継続性が欠如するとの批判がなされた。この「近代的時間」規制に対して、生命体の循環・再生産に依拠した社会・経済活動を展開するのが「農的時間」規制・「共同体的時間」規制である。「近代的時間」規制、すなわち「産業・組織的時間」規制が優占する現代社会においては殊に、共同体の持続性と永続性を保証しうる「農的時間」規制・「共同体的時間」規制の価値を再評価すべきであるとの主張が展開された。  (柴本晴香)

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