大会開催要項
 I.第59回(2011年度)大会の案内
   2011年度第59回大会は、熊本県熊本市小国町にて開催します。九州のほぼ中央に位置する小国町は、阿蘇外輪山の山麓にあり、林業と役牛小国牛の放牧で知られていました。戦後、役牛生産から酪農への変化のなかで行われた町有牧野の払い下げは、入会研究ではあまりにも有名です。現在の小国は、九州ツーリズム大学開催など、「人」を重視しながら野焼きと放牧・うさぎ追いをむすぶ、一皮むけたグリーンツーリズムの展開によって全国的に注目を集めるようになっています。開催地となる木魂館は、小国町北里の出身である北里柴三郎が地元に寄贈した文庫、生家等を維持する教育施設の一部で、24時間入れる天然温泉等の設備も整っています。ホテルとはひと味違う木造の会場は、晩秋の雄大な阿蘇外輪山の眺めと温泉の湯煙、神楽上演や阿蘇の赤牛・郷土料理の味覚とともに、日本山村の歴史性とは何かという問いに皆様を誘うでありましょう。また、本大会では、九州屈指の人気ある観光地での開催にもかかわらず、地元の方々のご好意と協力により、皆様の金銭的負担を可能な限り減らすことができました。知の共有と心の交流という、いわば学会の原点にたちかえる運営を心がけています。会員の皆様には、ふるって大会参加頂きますよう、御案内させていただく次第です。


 【大会開催日程】
  ◆日時:
  10月28日(金)〜30日(日)
  ◆会場:
  ・「自由論題報告」「各種委員会」「理事会」「懇親会」:木魂館
     〒869ー2505 熊本県阿蘇郡小国町大字北里371-1
     TEL:0967-46-5560
・「大会テーマセッション」「地域セッション」「総会」:旧北里小学校体育館
  ◆宿泊:
   熊本県小国町木魂館(研修宿泊施設)
  ◆大会日程
 
10月28日(金) 12時 熊本空港集合

12時20分 肥後大津駅(JR)
エクスカーション(コッコ・ファーム、阿蘇の観峰、小国まち歩き等)昼食は、コッコファームで摂れます。(各自自費)

17時30分頃 木魂館着

18時00分頃より 夕食・入浴

19時30分頃より 各種委員会・理事会(民宿宿泊者は移動)
10月29日(土) 09:00〜15:05 開会式・自由報告(木魂館)

15:05〜15:30 移動

15:30〜17:30 地域セッション(旧北里小学校体育館)

17:30〜19:30 総会(旧北里小学校体育館)

19:30〜20:00 移動

20:00〜22:00 懇親会 豊後神楽(木魂館)
10月30日(日) 08:15〜13:50 大会テーマセッション(旧北里小学校体育館)

13:50〜14:00 閉会式 (帰りのバスの時間に合わせています)
  ◆エクスカーション
   菊池市コッコファーム(研修後昼食:昼食は各自)、阿蘇外輪山(大観峰、草原)、小国町まち歩き(宮原一番街)等、地元の方々の協力を得て、それぞれのポイントで「農と食」についての考え方を伺います。多数の研究例がある阿蘇地域のグリーンツーリズムの現状について、担い手の方々から直接現場で学ぶことができる絶好の機会です。ぜひ、観て聴いて、味わって、その内実を判断していただきたいと思います。なお、エクスカーションに参加されますと、途中から参加されるよりも交通費はずっとお得になります。特に大学院生の方にはお勧めです。


 【交通手段】
  ◆往路
   会場の木魂館までは、小国町「道の駅ゆうステーション」からバス(宝泉寺行)あるいはタクシー7分です。バスは1日3本程度ですのでタクシーのほうが便利です。「道の駅ゆうステーション」までのアクセス方法は複数あります。
 
@熊本鉄道ルート:熊本駅(JR)→阿蘇駅(JR豊肥線)→杖立温泉行バス(九州産交)→ゆうステーション下車。
A熊本バスルート:熊本空港(バス)→阿蘇駅(JR)→杖立温泉行バス(九州産交)→ゆうステーション下車。
B福岡ルート:博多駅(JR)・福岡空港→黒川温泉行バス(九州産交 要予約)→ゆうステーション下車。時刻等は九州産交HP参照。
  ◆復路
  大会終了後の主な交通手段についてお知らせします
 
@熊本ルート(熊本空港・熊本駅方面)
1) 会場から熊本空港行きのバスを大会事務局で用意します(北里小学校―木魂館―小国ゆうステーション―肥後大津駅―熊本空港)。14:10分ごろ出発予定。
 16時30分までに熊本空港到着の予定です。乗車には1500円が必要です。
*熊本駅へは、肥後大津駅でJRに乗り換えるか、熊本空港でリムジンバスに乗り換えてください(約50分程度です)。
2) 路線バス(JR阿蘇駅行き) 小国ゆうステーション発14時37分
*上記の熊本空港送迎バスは、この路線バスには時間的に接続できません。小国ゆうステーションまではタクシーをご利用ください。
A福岡ルート(福岡空港、博多駅方面)
会場から小国ゆうステーションへは、大会事務局でバスを出します。小国ゆうステーションで下記のバスにご乗車ください。
 14:10出発予定―木魂館―ゆうステーション14:45到着
 日田バス:小国ゆうステーション15時02分発――福岡空港17時06分着
福岡空港行きのバス乗車には、事前予約が必要です。このルートは本数が少なく、行楽シーズンであるこの時期には混雑が予想されます。早めの予約をお勧めします。(九州高速バス予約センター 092-734-2727)


 【「地域セッション」について】
  ・日時:
  10月29日(土)15:30〜17:30
  ・テーマ:
  九州における都市・農村交流事業の成果と課題
    ――”九州番頭さんの会”におけるネットワークの社会的意義――
  ・コーディネーター
   徳野貞雄(熊本大学)
  ・報告
   (1) 小国における「木魂館」と「九州ツーリズム大学」
    江藤訓重(元小国『木魂館』館長)
 (2) 「阿蘇デザインセンター」と地域づくりの光と陰
    坂本英俊(「阿蘇デザインセンター」事務局長)
 (3) 過疎・環境・森林活動を担う主体
    沢畑 亨(水俣「愛林館」館長)
 (4) 由布院の分析から見た“地域経営”と”地域自治”
    米田誠司(元由布院温泉観光協会事務局長)
 (5) 都市人・若者をムラに送り続ける仕掛と人
    養父信夫(雑誌『九州のムラ』編集長:代理報告の可能性も有り)
 本「地域セッション」は、九州における都市・農村交流やグリーンツーリズムの展開において,約20年近くもその先頭を走り続けてきた実践者たちの報告である。まだ、日本に「都市・農村交流」という言葉も「グリーンツーリズム」という概念もない時代から、時には黙々と時にはド派手に〔地域おこし〕の仕掛け人として、行政をだまし、観光客をだまし、大学・研究者をもだまし続けてきた「愛あるサギ師」集団の主力メンバーである。彼らは13年前に「九州番頭さんの会」を結成し、愛あるサギの手法を真面目に磨き合い、家族を食わせ、住民に元気を与え続けながら田舎をひっぱってきた。また、多くの活動家達とも連携をとりながら、各地に人脈を張り巡らせている。本セッションでは、その「愛あるサギ師」の手口を披露してもらう。そして、「愛あるサギ師」達の本拠地の一つである小国”木魂館“を、心いくまで楽しんでいただきたい。


 【大会参加費・宿泊費等】
  ◆参加費:
  正会員3,000円、院生会員1,000円
  ◆宿泊費:
  10月28日(夕食+翌日朝食)正会員6,900円、院生会員 5,400円
10月29日(夕食+翌日朝食)正会員8,700円、院生会員 5,700 円
  ◆食 費:
  昼食1,000円(10月29日)、700円(10月30日)
  ◆懇親会費:
  正会員4,500円、院生会員3,000円
  ◆エクスカーション:
  正会員 1,500円、院生会員 1,000円(バス代、見学料込、昼食別)
*個室の希望には対応していません。各自杖立温泉、山川温泉で宿を確保してください。杖立温泉よりも山川温泉のほうがかなり近い距離にあります。
 わいた温泉組合事務局(山川温泉の案内はこちら)
   〒869-2504 熊本県阿蘇郡小国町西里岳の湯2816
    TEL:0967-48-5277
 杖立温泉旅館組合
   〒869-2503 熊本県阿蘇郡小国町下
    TEL:0967-48-0506 FAX:0967-48-0644
◆防寒用の衣服をご用意ください。
10月下旬の阿蘇・小国はかなり冷えます。また、懇親会は野外のグランドで夜神楽を見ながら行う予定です(雨天の場合は、屋内に変更します)。


 【大会参加申込について】
   大会参加費と宿泊費は、お手数ですが下記料金表を参考にしていただき、振込用紙の通信欄に参加日程等の必要事項(経費類型番号+類型外の特記事項、たとえば昼食をなくす、エクスカーションには参加する等)を記入し、10月10日までに振り込んで下さい。振込みによってのみ参加確認とします。なお振込先は、「日本村落研究学会第59回大会(阿蘇大会)実行委員会」名義にて、口座番号「01760-4-122587」となります。
 なお、本学会会員でない方の大会参加については、大会事務局の連絡先までお問い合せください。
〈参加内容および会員種別による経費〉  ○:参加のもの
 
28日 29日 30日



経費計(円) 経費類型



宿




宿








24,000 15,000 1 12

22,500 14,000 2 13

23,300 14,300 3 14


21,800 13,300 4 15



19,100 11,600 5 16




17,600 10,600 6 17




15,600 8,600 7 18





14,900 7,900 8 19





11,900 8,400 9 20






9,200 5,700 10 21







8,500 5,000 11 22
  ◆大会参加に関する連絡先
  〒860-8555 熊本市黒髪2丁目40-1
熊本大学文学部総合人間学科 牧野厚史
phone: 096‐342‐2416 fax: 096-342-2406 (学科事務室)
e‐mail: atsushi@kumamoto-u.ac.jp


 II.第59回(2011年度)大会プログラム
  10月29日(土)          会場:木魂館
◎開会式 8:30〜8:40
◎自由報告
  A会場(A−1) 8:40〜9:50  司会:辰巳佳寿子(山口大学)
 
(1)農業公園の直売所が果たす地域活性化機能と課題
―松阪農業公園ベルファームを事例として―  大原興太郎(三重大学)
(2)ベーシック・インカムによる村落自治活性化の可能性 ―ナミビアおよびブラジルにおけるベーシック・インカム支給実験プロジェクトの事例から―  岡野内 正(法政大学)
  B会場(B−1) 8:40〜9:50   司会:南 裕子(一橋大学)
(1)集団所有林地の制度改革に関する政策的分析―河北省太行山脈の事例を通して―  劉 文静(岩手県立大学)
(2)中国における高齢者の居住形態に関する影響要因分析
―上海・北京・海南・湖南・内モンゴルの調査から―  聶 海松(東京農工大学)
  A会場(A−2) 10:00〜12:20  司会:平井晶子(神戸大学)
(1)家系譜および宗門改帳にみる同族と姻戚  高橋基泰(愛媛大学)
(2)蚕種商人の家継承と同族・姻戚  山内太(京都産業大学)
(3)金融講と同族・姻戚  岩間剛城(近畿大学)
(4)家連合と同族・姻戚関係  長谷部 弘(東北大学)
  B会場(B−2・1) 10:00〜11:10  司会:牧野修也(神奈川大学〔非〕)
(1)農業大学校の非農家新規就農を巡って  三代陽介(熊本大学大学院社会文化科学研究科)
(2)新規就農者集団の展開過程とその特質 ―新農業人ネットワーク山形の活動を事例として―  三須田善暢(岩手県立大学盛岡短期大学部)
  B会場(B−2・2) 11:10〜12:20   司会:脇田健一(龍谷大学)
(1)むらと有機農業の受容―埼玉県比企郡小川町S地区を事例として―  小口広太(明治大学大学院農学研究科)
(2)非混住化地域における部落会の変容 ―山形県庄内地方S部落の会計記録・議事録より―  阿部友香(京都大学大学院文学研究科)
  A会場(A−3) 13:20〜14:30    司会:今里悟之(大阪教育大学)
(1)400年目の烈震・津波と東京電力福島第―原発の事故  岩本由輝
(2)東日本大震災後の集落の変容と再生 ―岩手県沿岸地域における集落調査から―  吉野英岐(岩手県立大学)
  B会場(B−3) 13:20〜15:05     司会:靍理恵子(吉備国際大学)
(1)農家女性のキャリア形成と世代移行 ―水沢地方農業担い手女性塾メンバーの質的調査分析―  大友由紀子(十文字学園女子大学)・堤マサエ(山梨県立大学)
(2)スウェーデン過疎地の家族における親族関係の実態  中道仁美(愛媛大学)
(3)農村男性の結婚問題とその対策  松本貴史(尚絅大学)
  ◎地域セッション 15:30〜17:30
◎総会 17:30〜19:30
◎懇親会 20:00〜22:00
   
  10月30日(日)         会場:旧北里小学校体育館
◎テーマセッション「農村社会を組みかえる―ジェンダー関係の視点から―」
          司会:原 珠里(東京農業大学)・大内雅利(明治大学)
8:15〜11:10 報告の部

(1)テーマセッションの趣旨と論点
  原珠里(東京農業大学)
(2)農村女性関連施策の効果と限界
  川手督也(日本大学)
(3)意思決定の場への参画と活動指向にみるジェンダー
 ―長野県における農村女性リーダー―
  藤井和佐(岡山大学)
(4)地域再生のための農村女性起業の役割と課題
 ―高知県四万十町旧十和村「おかみさん市」を事例として―
  西山未真(千葉大学)
(5)有機農業新規就農女性の農業観・生活観
 ―有機農業運動におけるジェンダーロールと消費者との関係性―
  波夛野 豪(三重大学)
(6)討論にむけた論点整理
  大内雅利(明治大学)
12:00〜13:50 共同討論
◎13:50〜14:00 閉会式


 III.第59回(2011年度)大会テーマセッションについて
  ○テーマ:農村社会を組みかえる−ジェンダー関係の視点から−
○コーディネーター・司会:大内雅利(明治大学)・原珠里(東京農業大学)
○趣旨と論点                           原珠里
 本年度のセッションでは、農村社会におけるジェンダー関係の非対称性について現状を把握するとともに、領域・次元によるジェンダー関係の相違、相互関連について明らかにし、農村社会におけるジェンダー関係をよりよい方向に組みかえるには何が必要か議論することを目的としたい。
 ジェンダーとは「人間の社会や文化によって構築された性」をさし、その非対称性を生み出すシステムを問題にする政治的なことばである。ジェンダー関係の非対称性は、単に非対称であるということではなく、女性を男性の下位に位置づける構造をもっているとされるからである。しかしながら、農村住民の都市居住経験や農外就業経験等のライフコースの多様化により、女性にとっても他の生き方の選択肢が開かれたことや、農業・農村を取り巻く環境の激変により、男性の優位性がかならずしも現実の男性の主観的幸福と結びついていない実態も生じている。女性にとってよりよい農村社会への組みかえは、男性にとってもより生きやすい社会の実現につながる可能性がある。
 当学会の歴史を振り返ると、ジェンダーに関連した村研のセッションテーマとして1994年の第42回「農業と女性−労働と意識の変化をめぐって−」がある。歴史的視点、社会学的視点から女性の意識と労働をとりあげ、見えなかった農業における女性に光をあて、「個としての自立」へむけて必要な研究の総括を行った。それ以降この分野では今日までに多彩な研究成果が生まれている。
 一方施策的にも、1990年代以降、農村における男女共同参画の実現に向けた施策が推進され、各地で展開してきた。しかしこのような行政主導の実践は一定の効果を生んだものの、近年はある種の行き詰まりをみせているとも思われる。
 当セッションでは、1994年のセッション以降の研究蓄積と上述の施策展開を前提として、現実の農村社会でどのようなジェンダー関係の組みかえが行われてきたのか、また今後どのような組みかえが展望できるのかに焦点を合わせる。農村社会におけるジェンダー関係は、その領域・次元により異なる構造をもち、それらの相互作用によりより複雑な状況を現出しているという理解に立ち、いくつかの領域に報告の焦点をあて、領域間の相互関連についても視野に入れたい。
 当セッションは、趣旨説明と以下の4報告および論点整理によって構成される。各報告では、農村女性関連施策という施策・制度の領域、地域政治等の意思決定の場という社会的活動の領域、中山間地域の地域再生における「農村女性起業」という経済活動の領域、農業・生活観という文化・象徴の領域等にそれぞれ重点をおきつつ、それらの領域におけるジェンダー関係が他の領域のそれとどのような相互作用を生んでいるのか、事例に基づきながら議論を深めたい。
 第1報告 農村女性関連施策の効果と限界
     川手督也(日本大学)
 第2報告 意思決定の場への参画と活動指向にみるジェンダー
   ―長野県における農村女性リーダー―
     藤井和佐(岡山大学)
 第3報告 地域再生のための農村女性起業の役割と課題
   ―高知県四万十町旧十和村「おかみさん市」を事例として―
     西山未真(千葉大学)
 第4報告 有機農業新規就農女性の農業観・生活観
   ―有機農業運動におけるジェンダーロールと消費者との関係性―
     波夛野豪(三重大学)

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